• 創業明治39年。日本一綺麗な仲卸。
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ある会話

 毎度湯川です。最近の出来事です。

 

 夕暮れ時の東本願寺前。当方仕事から帰宅し、犬の散歩中。交差点にて信号待ちのところ。 

「せやけどあれやなー、兄ちゃん。」

 右側から突然声をかけられる。相手方、少しく華やかな化粧と服装をした妙齢のご婦人。無論面識無し。当方、直感的には犬の話題かと思う。

「この辺帰っていくサラリーマンはみんな四条高倉あたりから歩いて定期代浮かしてんねんなー。」

 当方、「大丸?」くらいしか脳裏に浮かばず。

「そんなもんかね。」

「そら定期代でも浮かしとかんと小遣いも出んやろサラリーマンは。」

「育児やらローンやらで大変やからなー。」

「会社も大目に見るんちゃう、きっちりしたとこは厳しいんやろか。」

「そら明らかな業務上横領やからなあ。」

「せやけど万松さんやったら大したもんやから大丈夫やろ。」

 相手方、当方のシャツ右肩の「万松」の文字に気付いていた模様。侮れぬ。

「俺も毎日カツカツやわ。」

「せやけどサラリーマンは大変やなあ、四条高倉から歩いて。」

 信号変わり、当方歩き出す。相手方がどちらの方向に向かったかは確認せず。


 その後私は中島みゆきの「時代」を口ずさみながら散歩を続けました。 以上。