毎度湯川です。先の週末は散歩以外はずっと家にいて持っている本の再読をしておりました。私が20年来ファンである藤沢周平(平成9年歿)コーナーから数冊、時代小説です。
数ある藤沢作品の「剣豪もの」の中で最強の剣士は間違いなく短編『たそがれ清兵衛』の主人公、井口清兵衛です(この作品は映画化もされましたが、私は見ていません。主演した真田広之は小説の造形に比べてカッコ良すぎます。ヒロインは宮沢りえだったっけ。)。他の作品ではハイライトとなる決闘のシーンでは、強すぎて、2人の強敵に対して2行ずつくらいの描写で倒してしまいます。彼が戸惑うのは、重役から命ぜられた上意討ちの時間帯が、病気で寝たきりの妻の介護と家事内職に勤しまなければならないときだということだけで、まるで蓮根蒸し作りや洗濯掃除のために早く帰宅する万松のSさんのようです。
で、昨日日曜日はSさんからの「家電量販店に連れていけ」という誘いを「おっさん二人で休日にそんなとこ行きたくない」と断り、ボロボロになった本を読んで過ごし、「就寝の本」(あと、「入浴の本」もある)には、随分以前こちらで触れたことのある、江戸時代から代々家伝の武術を伝えてきた家に生まれた人のマニアックな著書を選んで寝ました。
以上。